2020
06.12

スポーツが日本の国民性を超える時

スポーツ

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先日出演したPodcastでは、非常に良い質問をいくつも投げかけてもらった。今回の投稿についても、そのアンサーとして話したことで、書き留めておく価値があるな、と思ったもの。質問の内容は、『日本人ってどうしてもワー!となれない人種じゃないですか?それって今後日本におけるスポーツ観戦のあり方的にどう思われますか?』そんな感じだった。

 

実は僕もワー!!が得意ではないタイプ

 

昔から僕はそうで、あまり人と一緒になって騒いだりすることが得意ではなかった。若い頃、クラブでは叫んだり踊ったりはしょっちゅうしてたけど(笑)、どこか冷めてるところがあり、どこか引いて人を見てるところもあり、シンプルに誰かと一緒にワーキャー騒ぐのは得意ではなかった。『Make Some No——ise!!』とか言われて騒いだのはFunk Master Flexの来日Liveくらいじゃないかな。そういう意味では、非常に日本人ぽい人間だと思う。ただそんな僕も、いくつかのスポーツ観戦の会場体験を通して、大きな声を出したり、大きなジェスチャーを思わず取ってしまった記憶がある。それは、宇都宮ブレックスの会場ブレックスアリーナと、歴史的勝利を収めたラグビーワールドカップにおける日本 vs アイルランドの一戦だ。

 

常に満員の宇都宮ブレックスの試合会場は黄色く染まる

常に満員の宇都宮ブレックスの試合会場は黄色く染まる

 

宇都宮ブレックスの会場は一体感が凄い

 

まずクラブの努力に頭が下がる。細かな部分での会場装飾を含め、徹底して非日常体験を生み出す努力をしている。オープニング映像が流れる際にはそっと非常灯の灯にも幕をするほど暗転に徹底している。そうした細かい配慮がまた非日常空間には必要なのだ。その会場にはいつもほぼ満員の観客が押し寄せる。

 

 

クラブは意識してるのだろうか?狙ってるのだろうか?それとも、もはや満員続きの会場だから、できるだけ席を増やそうとしているのだろうか?

 

とにかく席が近い

 

のだ。これはある意味ではイヤで、ある意味では効果的だ。この席の近さから、左右隣の人や前後の人の圧を凄い感じる。プライベート空間を大事にする僕としてはあまり好みのスタイルではない。だけど、テンションの高い宇都宮ブレックスのファンたちに後押しをされている気がする。盛り上がっていいんだよ、と。ブレックスファンは熱狂的な方が多く、一喜一憂に動きがあり、その動きが伝わる。シュートが入れば喜び、場合によっては立ち上がり。その動きは隣の僕にも伝わる。なんなら肩やら肘やらがこすれる。その勢いでなんだか僕も一緒に立ち上がってしまおう!という感覚に陥る。

 

日本特有の雰囲気、それは恥ずかしがり屋の集まり

 

上述の感覚は一定数あると思っていて、「あ、恥ずかしくないんだ?」というのが大きいと思う。隣の人も一生懸命に手を叩いて喜んでるし、力入って立ち上がって応援しちゃってるし、僕もそれやって恥ずかしくないんだ、と。スカしてる僕はみんなと一緒になって喜ぶのが恥ずかしかったのか、と気付かされた。開放的な感覚になり、結果楽しさは倍増する。それが「また行きたい!」という気持ちにさせるのだろう。

僕はブレックスアリーナでバスケを観るのが大好きだ。きっと同じ感覚の人は多いと思う。だから一都三県に住む人も宇都宮ブレックスのファンになり、わざわざ、宇都宮まで足繁く通うのだ。このロイヤリティがまた熱狂を生み、会場の良い雰囲気を創り上げる。ぜひ一度は現地に足を運んで欲しい。

 

大好きな宇都宮ブレックスのマスコット『ブレッキー』

大好きな宇都宮ブレックスのマスコット『ブレッキー』

 

満員は最強のエンタテイメント

 

これは僕の持論だ。でも肌感として、反対する人はいないと思う。PSIのミッションにもなっている。これを最大限体感できたのが、先日のラグビーワールドカップだ。静岡のエコパスタジアムで日本 vs アイルランドの試合を観戦し、歴史的な勝利に立ち会ったわけだけど、試合中はこんな感じだった。

 

 

僕は正直な話、ちょっと潔癖なのに、周りの人とおしげもなく抱き合ったし、幾度もハイタッチしたし、わめいたし、楽しかったし、感動した。みんなウルウルしてた。こんなシーンが日本のスポーツ界で起きるの?とまで思ったことを忘れない。もちろん日本という国を挙げての勝利だったことはもちろんだが、とにもかくにも盛り上がった。大熱狂だった。感動が溢れてた。

どうしてこれが生まれたのか?僕はそれはやっぱり、あのお祭りムードがそうしたと確信してる。パンパンに入った人、買いたくても買えないチケットをゲトれた人が集まっていた。もしあのスタジアムが満員でなかったら?想像してみて欲しい。たぶんあの興奮は”現地では”生まれなかっただろう。周りの席が埋まっているかどうか、これは大事なポイントだと思う。盛り上がってる自分が浮いている!と感じてしまうと日本人は恥ずかしいと感じてしまう。そこを感じさせないようにするのが満員である、と。

 

スポーツは、一体感や熱狂を生み出す装置

 

どちらかと言えばウチに籠る、ワー!となれない日本人の国民性、それを打ち破るキッカケを創れる可能性がスポーツにはある。そのキッカケを創り出すためにスポーツに関わる仕事をしてるのかもしれない。PSIのビジョンになるかも。今は新型コロナの影響を大きく受けているけど、日本のスポーツもそろそろ動き始めようとしてる。会場に足を運べない状態はしばし続くけれど、今だからこそ、の違う楽しみ方を僕らは映像やギフティングを通してファンの皆さんに感じてもらえるように努力するし、尽力する。その仕組みを、クラブさんには自信を持って提供する。

じきに会場での観戦もできるようになる。そのタイミングで「スポーツの見方が180°変わった!もう家で観るのが一番!」なんてことはマチガイなく起こらず、会場へ足を運ぶ人が減るイメージは一切ない。一時的にはあるかもしれないけど、それは本当に一時的な話だ。色々なデジタル体験を通して、よりリアルの価値が高まると確信してる。

 

観戦方法はリアル→デジタルに入れ替わるのではなく、リアルにデジタルが付帯されるのだ。

 

VRでNBAのアリーナ1列目が自宅のリビングから体験できるようになれば、現地のアリーナ1列目の席の価値はきっと劇的に上がり、そこでの観戦を生でリアルで楽しんでみたい!という欲求が上回ると確信している。

日本人の内に籠もりやすい島国気質というか、日本人っぽい感じは、スポーツ観戦の体験がきっと変えてくれる。どんどん感情表現をしていいんだ!とか、一緒に、むしろ1人でも、盛り上がって恥ずかしくないんだ!ということを気付かせてくれる。スポーツには、そういう力がある。一体感や熱狂を、スポーツは生み出す。素晴らしいコンテンツだ。素晴らしい装置だ。スポーツは絶対になくならない。AIに置き換わることもない。この生身の人間が織り成すドラマを生身の人間が生で体感することに価値がある、それがスポーツだ。

 

ラグビーワールドカップ日本 vs アイルランド戦が行われた静岡エコパスタジアム

ラグビーワールドカップ日本 vs アイルランド戦が行われた静岡エコパスタジアム

 

スポーツには無限の可能性と価値がある。

 

プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社
代表取締役 平地大樹

 

 

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