プロダクトアウトとマーケットインの先にあるモノ

プロダクトアウトとは、ある自社の商品・計画があり、それを市場に投下・販売していくこと。
マーケットインとは、ある市場があり、そのニーズを拾い、商品を開発し、投下・販売していくこと。

そして、その先にあるモノは、カスタマーイン。カスタマーインについて話したいと思う。

課題解決のためのコンサルティングはオーダーメイド

例えば、WEBのソリューションを販売している時に、よく陥ることが、WEBのソリューションに頼ってしまう、ということだ。

WEB屋である以上、自社のサービス展開というか、WEBのソリューションを提案すべきだし、販売すべきだ、と誤解をしてしまっていることが多い。WEBから売上を上げる、ということは、決してWEBのソリューションでしか解決できないわけではない。

また、過去私がやっていた人材ビジネスでも、「売上を伸ばしたいから、営業を採用したい。」というニーズをよく耳にした。

採用活動は、会社の根幹であり、簡単に考えて良いものではない。組織としての戦略が立っていない限りは、採用活動もできない。それくらい会社経営と密接であり、重要である。話を戻すと、そもそもだが、会社として売上を伸ばすことが大事なのか。売上ではなく、利益を伸ばすべきではないのか。いや、今は売上をまず伸ばすフェーズだ。などなどを思慮しなければならない。

ここで気付いて欲しいのは、クライアントのニーズが、本当にクライアントの課題を解決するニーズだとは限らない、ということだ。だから、そのニーズ「だけ」に対する解決方法を提示したところで、本当のパートナーにはなれない。これが、プロダクトアウトの罠だ。

一方、マーケットインは、市場のニーズ、流行、営業マンがヒアリングしてきたマジョリティの意見、そういった実際に必要とされていることに対して製品の開発や生産をして、販売活動を行っていく。だから、クライアントから問い合わせがあった段階で、クライアントが解決したい内容が実現できそうだ、ということになる。これは、市場から望まれる商品であり、サービスであり、クライアントとしても、「待ってました!」というものだろう。

ただ、ここにも気を使いたい。というのも、市場に望まれる商品やサービスを開発すれば、マーケットインであり、クライアントからの依頼も順調に増えるだろうが、それが、本当にクライアントの『課題を解決できるのか?』ということだ。全てのクライアントが、正しい方向や自社の戦略にあった手段を選べる、考えられる、思いつく、とは限らない。これは、マーケットインの落とし穴だと思う。

商品やサービスを開発する側からすれば、マーケットインだ。クライアントに望まれた段階で、マーケットインというマーケティング手法は成功しており、会社としては、素晴らしい戦略の元に商品を開発できたであろう。しかし、本当にクライアントがそれでハッピーになるのだろうか?

例えば、あるサイト運営者が、「順位が上がればもっとたくさんの人に見てもらえるんだろうなぁ、この順位って、どうにかならないのかなぁ?」と思っていたとして、そのサイトを構築した制作会社から、「お客さまからの多くのご依頼を受け、弊社でもこの度、検索結果の順位を上げる手法SEOのサービスをスタートしました!」と連絡があったら、「これは!」と思うだろう。要望を聞き、その先の潜在的なニーズまで掘り起こせる可能性がある、これがマーケットインだ。

ところで、本当に順位が上がることが成功なんだろうか。私はそうは思わない。SEOは、キーワードマーケティングであり、集客の手法であって、売上を上げる手法では決してない。集客が増え、結果、売上に繋がることは実例としても多くあるが、本当にSEOが必要か?この判断は、クライアントとなる、そのサイト運営者と全てを話した後であるべきだ。

「必要です!」「はい、あります!」「ではお願いします!」という簡易なやり取りでビジネスが成り立つことは現実的にあるが、本当にそれでお互いがハッピーになれるかは、やってみてからでしかわからない。結果、成功すれば、OKだろう。結果、失敗すれば?それは、不運だ、では片付かない。これは、ビジネスビジネスなのだから。

ここまで長々と話してきたことで、今回話したい「カスタマーイン」については、わかってくれただろう。

クライアントとの対策の納得感を得るためにも、カスタマーインの精神で、クライアントに耳を傾け、そのクライアントの課題はなんなのか?そのクライアントの向かっている方向はどこなのか?本当に今必要なことはなんなのか?それを話し合い、考え、そのクライアントに合った商品・サービスを設計し、提供する。これが、一番だろう。

「SEOをやるなら、Yahoo!のビジネスエクスプレスへの登録が必須です!」なんて、いつまで言うつもりだろうか。プロダクトアウトになっていないだろうか?マーケットインというマーケティング手法を取って集客したクライアントへ、結果、プロダクトアウトになってないか?

私は、カスタマーインは、マーケティングの手法というより、セールス・営業の手法だと思っている。今や、どんな商材・サービスも取り扱うことができる世の中で、それぞれのビジネスへの参入障壁は低くなっている。そんな中、顧客、クライアントに愛されるビジネスをするには、カスタマーインの心得がセールス部隊にあり、会社全体として、そのセールス部隊がヒアリングしてきたニーズに応えられるサービスや商材がオーダーメイドで開発できる体制があるかどうか。これが、今後生き残れる組織、会社になるのではないだろうか?

プロダクトアウトがダメなのではない。悪でもない。ただ、私は、カスタマーインの気持ちが大事だと思うし、今後生き残っていくために必要なスピリットだと信じてやまない。クライアントの課題解決をすることをコンサルティングというのであれば、そのコンサルティングでは、カスタマーインの精神で、じっくりとクライアントの声に耳を傾け、ニーズにあった商品をオーダーメイドで提供したい。

平地大樹

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One Comment

  1. […] てきたtoCのビジネスだけの話じゃないんですよ。デキるtoB営業というのは、どこかテーラーメードなものなんです。汎用の資料で提案されても『本当にうちのこと考えてくれてるの?』 […]

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